厚生労働省の精神疾患によると、ストレス社会を反映するように国内の「精神疾患による患者数」は増加傾向にあるデータが出ております。
また、2015年より労働者が 50 人以上いる事業所では、年に1回ストレスチェックを義務化する法律「労働安全衛生法」が改定されるなど、国をあげてストレス対策が課題となっています。
(参考)一般社団法人安全衛生マネジメント協会「労働安全衛生法とは」
そこで今回の記事では、メンタルケアに役立つ資格についてご紹介します。
知識をつけることで大切な方をケアできるかもしれません。
メンタルケアの必要性が増えている背景
ここ数年で「メンタルケア」という言葉を多く耳にするかたも多いのではないでしょうか?
先ほどご紹介した労働安全衛生法だけでなく、コンビニにいくとメンタルケアをするチョコレートの販売、リラクゼーションサロンの増加など、日本国内で「癒し」の需要が増えていることが読み取れます。
事実、メンタルヘルス市場は217億円を超えており、これから先も更に拡大していくと言われております。
企業の損失を防ぐことができる
メンタルケアを行うことで、企業の損失を防ぐことができます。
働く上で身体が健康であることはもちろん、メンタルも健康でないとパフォーマンスや生産性を上げることはできません。
厚生労働省の「労働安全衛生調査(平成30年)」によると、働く人の58.0%が仕事や職業生活において強い不安、悩み、ストレスを感じているというデータが出ています。
また、心と身体は繋がっていると言われるように、メンタルが乱れると身体にも悪影響を及ぼしてしまいます。
そのため、従業員の、ストレスを事前に察知してメンタルケアをすることが企業に求められています。
社会的責任(CSR活動)
企業の社会的責任(CSR活動)にもメンタルヘルスケアは密接に関わります。
従業員の健康管理への配慮はCSRの重要な要素であり、従業員のエンゲージメントの向上や、消費者や投資家などからの高い評価や企業価値の向上に繋がることになります。
つまり、企業のイメージアップのためにもメンタルヘルスケアは避けては通れないものとなっているのです。
そのような背景もあり、メンタルヘルスケアの資格は需要が高まり注目を集めております。
ここからは、メンタルヘルスケアの資格の紹介をしていきます。
メンタルケアカウンセラー
仕事内容・資格の紹介
メンタルケアカウンセラーとは、メンタルケア学術学会が認定する、通信課程で取得できる心理資格です。
メンタルケアカウンセラーの資格を取得する中で、カウンセリング、心理学、メンタルヘルスを職場や日常生活で活かす目的で学ぶことができます。
資格取得後
メンタルケアカウンセラーの資格取得後すぐに仕事に繋げることは難しいですが、「心理」や「カウンセリング」の知見が深まるため、職場でのカウンセラーとして新たなポジションを築いたり、コミュニケーションが豊かになるメリットがあります。
メンタルケアカウンセラーの上位資格である「メンタルケア心理士」を取得する場合、前段階としてメンタルケアカウンセラーの資格を取得しておくとスムーズです。
合格までの期間・勉強時間・合格率
合格までの期間は、平均3ヶ月と言われております。
メンタルケア心理士
仕事内容・資格の紹介
メンタルケア心理士とは、カウセリングを通して相談者の心のストレスを軽減したり心の健康を維持できるようサポートする資格です。
メンタルケア心理士の資格取得後は、具体的には医療機関、福祉施設、保健施設、役所、刑務所、学校、企業などを挙げることが可能です。
独立開業してメンタルケア心理士としての仕事をこなしていくこともできます。
資格取得後・給与
メンタルケア心理士という職業が成立しているわけではありませんので、心理カウンセラーとして資格を活かしていく方もいれば、教育や福祉の現場で資格を活かしていくという方もいるでしょう。
そのため、一般的な給料事情というのは把握しにくいのが実情です。
メンタルヘルスケアの資格を活かして独立すると収入は青天井。
中には1000万円以上の収益を上げられている方もいます。
合格までの期間・勉強時間・合格率
メンタルケア心理士の合格率は13.2%ほどと言われており、メンタルケアの資格の中でも難易度が高いと言われております。
勉強時間は平均5ヶ月〜7ヶ月と言われております。
メンタルヘルスマネジメント検定
仕事内容
メンタルヘルス・マネジメント検定試験 とは、従業員に起こりうるメンタルヘルスの不調に対処したり、問題が起こらないよう予防策を取って、より健康な状態を目指したりできるように、正しい基礎知識を習得することが目的の資格です。
資格取得後・給与
自分が一般社員レベルであれば自己管理のためのⅢ種、部下を持つ管理職であればⅡ種の勉強をして検定に受かればその知識は職場での心の健康のために活かせます。
資格を活かして新しい仕事に就くよりも、今の仕事に活かしてキャリアアップされる方が大多数です。
合格までの期間・勉強時間・合格率
メンタルヘルスマネジメント検定の難易度と勉強時間は
Ⅰ種(マスターコース)
合格率:11.7%~20.2%
勉強時間:50時間〜100時間
Ⅱ種(ラインケアコース)
合格率:43.3~76.7%
勉強時間:最低50時間
Ⅲ種(セルフケアコース)
合格率:66.7~85.5%
勉強時間:最低30時間
と、マスターコースに行くに従って難易度が上がって来ます。
メンタル心理カウンセラー
仕事内容・資格の紹介
メンタル心理カウンセラーは、日本能力開発推進協会認定が主催する民間資格です。
検定試験の学習を通して教育、医療、福祉、産業といった現場で求められるカウンセリング知識・技能を学習します。
資格取得後は、キャリアカウンセラー・美容カウンセラー・各種電話相談窓口や個別カウンセリングなどに生かすことができるでしょう。
資格取得後・給与
資格取得後、ダイレクトに給与に反映されることはマレですが、心理カウンセラーの資格取得後、さらにスキルを磨けば、心理カウンセラーとして独立し、本格的に活動していく道も開けます。
また、自宅やカルチャースクールなどで心理学を教える講師として活躍することも可能です。
ほかにも、医療機関や教育現場でのカウンセリング、ソーシャルワーカー、企業カウンセラーなど、多種多様なキャリアアップの道があります。
合格までの期間・勉強時間・合格率
メンタル心理カウンセラーの平均合格期間は約2ヶ月と言われております。
合格率は公表されていませんが、全体の70%以上クリアすることで合格と言われております。
まとめ
世界中でストレスケアが注目されている昨今、メンタルケアの資格の需要も右肩上がりです。
企業のCSRにも関わるため、これらの資格を取得するとこでキャリアアップや転職に有利になるでしょう。