30代は中間管理職として実績を積んでいく一方で、現状への不満やストレスで転職を考え始める時期…。そして転職への武器に、資格を取得するか考える方も多いでしょう。
しかし、果たして転職に資格は必要なのでしょうか。
取得しても意味がなければ時間と労力の無駄になりますし、30代からの転職もリスクを感じますよね。また異業種で採用してくれるところがあるのかも気になります。
今回は、厚生労働省の実態調査をもとに、転職する際に気を付ける点についてまとめてみました。
資格取得でキャリアチェンジは難しい?その理由とは?
(出典:令和2年転職者実態調査の概況|厚生労働省)
30代からの転職は不安に感じる事でしょう。
厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」をもとに、企業側が転職者に求めるものについて考えていきます。
あなたのキャリアチェンジに役立つはずです。
7割超が「経験・能力・知識」を考慮
産業別では「宿泊業・飲食サービス業」が89.8%ともっとも高くなっています。
多くの企業が転職者に即戦力を求めていることがわかりますが、その他30代ともなると、経験や能力の他にマネジメント力も求められます。
経験・能力・知識を求めている業種ベスト5
第1位:宿泊業・飲食サービス業
第2位:学術研究、専門・技術サービス業
第3位:情報通信業
第4位:建設業
第5位:鉱業、採石業、砂利採取業
約5割が「年齢」を考慮している
能力の次に多かったのが年齢でした。産業別では「建設業」が61.4%ともっとも高くなっています。
年齢が高くなるほど採用が狭くなる事がわかります。
年齢を考慮している業種ベスト5
第1位:建設業
第2位:学術研究、専門・技術サービス業
第3位:製造業
第4位:情報通信業
第5位:不動産業、物品賃貸業
約4割が「免許・資格」を考慮している
産業別にみると、「医療、福祉」が62.9%ともっとも高くなっています。鉱業、採石業、砂利採取業が続き、運輸業、郵便業が第3位となります。
今後3年間に「転職者を採用する予定がある事業者」に関する調査では、「医療、福祉」が80.8%ともっとも高かったことから、転職者が採用されやすい職業だと考えられます。
免許・資格を考慮している業種ベスト5
第1位:医療、福祉
第2位:鉱業、採石業、砂利採取業
第3位:運輸業、郵便業
第4位:不動産業、物品賃貸業
第5位:学術研究、専門・技術サービス業
資格を取得してキャリアチェンジする時に気を付けること
全くの異業種だとリスクが高いと感じますよね。転職する際、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか。
多くの企業が経験や年齢を考慮する
即戦力を求めている企業が多いため、資格を取得してもそれが採用につながる可能性は低いでしょう。
転職するなら自分のキャリアに近い職種と、それに役立つ資格を取得することがおすすめです。
人材が不足している業種を選ぶ
異業種への転職を考えるなら、「社会的ニーズが高いけど常に人員不足」という業種に焦点をあてて探すことをおすすめします。
そういう企業は年齢にこだわらない場合が多い傾向があります。
特に福祉系の仕事は、高齢化により需要が伸びる一方で、人材が不足しているといわれています。
将来性がある職種か見極める
資格を活かしてキャリアチェンジするなら、今後も伸びていくと考えられる職種を選ぶことをおすすめします。
特にIT関連、医療・福祉の現場や、人を教育していく仕事などは需要がある職種になります。
そのなかで、自分がこれだ!と思える、やりがいを感じられる仕事は何か考えていきましょう。
資格を取得してキャリアチェンジ!おすすめの職種と資格は?
転職に成功する方法は、自分のキャリアに近い分野、人材が不足している分野、将来性がある分野を探すことです。そのうえで有効な資格を持っていると、転職を有利に進める可能性があるでしょう。
ITスキルの証明に「ITパスポート」
IT知識の他に、経営・財務・法務といった仕事に必要な知識を学べます。
IT関連はこれからますます成長していく分野になります。経済産業省認定の国家資格で、IT業界の他に、金融、マスコミなど幅広い活躍の場が期待できます。
ITパスポートの詳細については、こちらを確認してください。
医療系の資格と言えば「医療事務」
病院での受付・会計・請求業務を行う仕事で、働くスタイルを正社員からパートと選びやすいことから、女性に人気の高い資格になります。
医療施設は好・不景気に左右されない安定しているため、長く働きたい方におすすめの資格になります。
福祉系の資格と言えば「社会福祉士」
高齢者、障害者、生活保護世帯へ、サービスの提示や自立に向けた経済的な援助など行う仕事になります。行政から民間企業まで活躍の幅が期待できます。
介護や福祉分野でお勤めの方は、支援対象が広がりキャリアアップにもつながります。
高齢化や生活保護世帯が増える中、有資格者は不足しているため社会的ニーズは高く、転職におすすめの資格になります。
共働き世帯の味方「保育士」
保育所、児童福祉施設、ベビーシッターなど、活躍の場は広く、転職に一生役に立つ国家資格になります。子供が好きな人におすすめの資格です。
共働き世帯が増えている一方、子供を預けられる施設の数が足りず、保育士不足による待機児童が問題となっています。そのためニーズが高い資格になります。
メンタルヘルスマネジメント
メンタル不調を未然に防ぐことができるストレス対処法などを学べます。
管理者向け(Ⅱ種)と一般社員向け(Ⅲ種)があり、職場での役割に応じたメンタルヘルス対策を習得できます。
離職理由として「人間関係」を上げる人が多く、メンタルヘルスのマネジメント能力は企業側が求めている人材だと考えます。
ファイナンシャルプランナー
税金、保険・不動産・年金などの資産設計の提案ができる仕事になります。
金融・不動産・住宅メーカーなど、多くの企業で活用できる資格で、転職の強い味方になります。
また、生涯かかるお金を計画的に計算して、プライベートでも活用することができる、おすすめの資格になります。
まとめ
今後ますます成長していく分野は、IT関連や、医療、福祉など人の手が必要な分野になります。
しかし、30代でやりたいことを仕事にしたいと、異業種に飛び込むのはリスクが高いでしょう。
年齢が上がると安定志向に変わる人は多いです。今働いている職場が続けられる状況なのであれば、そのまま働き続けたほうがおすすめですが…
思い付きで転職を決めるのではなく、これから先もずっと働き続けられるかどうか、満足できる転職先かどうか、しっかりと見極めていきたいものですね。